「目標があるから」ステップがある

「勉強ができる」と形容される子どもは世の中にたくさんいます。それを試験などで具体的に計測していくと、常にトップにいるような子どもがやがて目立ちます。自分の子どももいい線だけれども、あと一歩トップに届いていないということはよくあります。

そのような時に、「あの子は特別なんだから」と諦めてしまうのか、自分の子どももやればあれくらいできると考えるのかで、その後が大きく変わってくるのです。勉学においては「点数」や「成績」という指標が大きな道標になります。人の個性そのものは成績や点数で測れるものではないですし、「今」のテストの点数が将来にどのように生きてくるのかはわかりません。テストで良い点数をとるために、クラスで優秀な子に勝つために、費やす時間が子ども本人にどのような影響を与えるのかはわからないのです。それでも、世の中に「成績」という指標があり、テストの点数で優劣がついてしまうのです。

子ども本人を定義づけるただひとつの指標でしかない「成績」が本人や家族に大きな影響を与えるかもしれないのです。点数が悪いといい気はしません。クラスで下の方であればいい気はしません。その時はもしかすると、仲間とテストの点数を競い合うのが必要な時期なのかもしれません。子ども本人がどう考えるかということが大切ですし、子どもの成績に対して親がどのように考えるのかということが大切です。放置して自主性を重んじるといえば聞こえはいいですが、それは共に「成績」に悩むべき時期に責任を果たさないということになってしまいます。

勉学に励む際、必要なのは「達成する」という本人の強い意志と、周りのサポートです。勉強をすることが子どもにとっては大変なことなのだということを、しっかりと理解してあげる必要があるでしょう。そして、テストでは良くも悪くも「点数」がつくのです。「点数」はそのまま優劣の差ということになります。何もかも完璧にこなせる人はいないものですが、その子よりも成績が優秀な人は沢山いるかもしれません。まずはそのような他の生徒と同じ土俵に立つことを目標においてもいいかもしれません。

同じ人間ですから、勉強すればおいつけるのです。理解するスピードが違うということもあるかもしれません。人よりも物事を覚えるのが苦手ということもあるかもしれません。それでも、続けていれば必ず習得できます。学生の頃の勉学というものは、「どれだけ怠けなかったか」ということに左右されます。怠けずに丁寧に勉強していれば、そんなに大きな差はつかないはずなのです。

「怠けない」ということは「本人の意志」です。本人が「どう在りたいか」ということを自覚していれば、勉学を怠けるようなことはないのではないでしょうか。あとは本人が「真面目にやろう」と思えるような「環境」が必要です。いきなり「トップ」には立てなくても、身近なクラスメート、後一歩のところであれば辿り着けるかもしれません。そのような「目標」を与えてやることが何よりも大切です。どれだけ頑張れば次のステップに進めるのか、本人がイメージできることが大切なのです。そのためにはまず、「本人の学ぶ姿勢」から育てていく必要があります。