学習塾をどのように選べば良いのか

学習塾にはさまざまなタイプがあります。同じ勉強を行うのでも、そのための環境はさまざま考えられるということです。そして、子ども本人にとって最適な学習方法は模索しなければわかりません。

学校では一年間で必要なカリキュラムを消化するためにスケジュールが組まれていて、それに沿った指導が行われています。それは必ずしもすべての生徒に対して適切ではない場合があります。ひとりの生徒が授業に対して遅れていたとしても、全体の進行を足踏みするようなことはほとんどありません。その「差」はテストや成績表で顕著になってしまうものです。そのように、学校と同じような「クラス指導」の塾では、「自分のペースでじっくりと学びたい」という子どもにとっては場所が変わっただけで状況は変わらないということになってしまうかもしれません。ただ授業の中に放り込むだけでは、何も変わらないかもしれないのです。そのような子どもに対して適しているのは「個別指導」ということになるのではないでしょうか。

対して、誰かと机を並べて、誰かと成績を競うようにして学ぶことが効果的な子どももいます。学校のクラスではすでにトップだから、今度は地域で一番を取りたいというようなステップに進んでいる子どもは、学校の垣根を越えてレベル毎にクラス別けしてもらえるような段階別の集団指導の塾がいいのではないでしょうか。そのような塾では学校のクラスメートとはまた違った子どもたちと成績を競うことになります。「誰かと競うこと」で張り合いが出るような正確であれば、そのような明確なクラス別の指導が適しているかもしれません。

打って変わって塾に通う時間がない、都合の良い時に、自宅で学びたいということもあるかもしれません。部活動に励んでいたりする場合は、塾のスケジュールが合わないかもしれないのです。そのような場合は家庭教師や通信教育などが適しているかもしれません。

ただ「学ぶ」だけでもこのようにさまざまなスタイルがあるのです。子どもの「伸びる、伸びない」は「環境」が大きく左右します。塾の謳い文句としては「合格率」や「偏差値何パーセントアップ」というようなものがあるでしょう。そのような指標はもちろん気になるものではありますが、一番大切なのは生徒本人がどれだけ馴染んで学ぶことができるかということです。本人がどれだけ勉強する気になれるかということです。別にその塾に気に入った異性がいるから、という理由でも構わないのです。クラス指導がどうしても嫌で、自分のペースでどんどん進みたいということでも構わないのです。私たち大人ができることは、本人が満足して集中できるような環境を与えてあげることです。その後は「結果」に対してとやかくいっても仕方がないものです。成績をどう変えるのかは本人次第です。本人がどれだけその環境で向上できるのかを、期待しつつ見守るしかありません。

ただ、適した環境を用意するところまでは大人の責任です。保護者として、適した環境を用意してあげることができるかどうか、まずはその点に子どもの成績が左右されるのです。最初が肝心でもあります。妥協せずに、一緒に選んであげることが大切なのではないでしょうか。